エイジレス人材社会の実現へ

2035年には65歳以上の高齢者が、人口の4割に近づくという推計があります。年齢にかかわらず能力や経験を生かして、伸び伸びと働けるエイジレス人材社会をどう実現するか。日本社会の大きな課題となっています。

人材の確保と人的資源の最適配分は、企業にとってますます重要な課題です。雇用形態も多様化が一段と進んでいます。このような潮流の中で、人材確保のあり方も大きく変わっています。

米国では1967年に、雇用に関する年齢差別禁止法が制定されました。当初40~65歳だった保護対象は、その後70歳に広がり、87年には上限も撤廃されました。年齢差別の象徴は、一定の年齢で一律に雇用関係を打ち切る定年です。米国では同法制定に併せ、原則として廃止されました。

日本でも、個人の職業人生を一企業だけにゆだねるのは一層困難になり、雇用は流動化を前提に、労働市場全体で保障する時代になりました。人材を企業内に封じ込める極端な年功賃金や退職金制度の見直しは欠かせません。

といって、定年制を簡単になくせるでしょうか。働く側には人生設計の目安になり、安心して新しい業務にも挑戦できます。日本企業の大半が、長期雇用を維持したいとする理由はここにあります。重要なのは、雇用の安定と流動化の両立です。

65歳定年や、原則として希望者全員に65歳まで雇用を継続する制度は、すでに2割近い企業で導入されています。まずこの動きを加速することだ。そこから将来につながる新しい芽も生まれます。

採用条件としての年齢制限見直しをきっかけに、社内の処遇を年齢基準から、職務内容に見合うものに改革する。求人情報をもっと詳しくすることで、仕事と賃金に関する労働市場全体の透明度を高め、社会全体で転職しやすい環境を整えたいところです。

とりあえずの効果はたとえ小さくても、求められるのはそんな前向きの発想です。助走期間を置き、条件を整備しつつ法制化の可能性も検討に値するでしょう。 そのためには、求職側の能力を客観的に評価・認定する制度の充実が欠かせません。新たな職業能力の習得を支援する制度の抜本的な拡充を前提に、大学などへの社会人受け入れ拡大のための改革も重要となります。

若者の間に転職志向が強まっています。どの会社に勤めるかより、どんな仕事をするかを重視する自己実現への期待は、若い時代だけの特権ではないはずです。 グローバルな企業間競争は雇用における能力主義を今後さらに強めるでしょう。個人の職業能力開発を活発にする決め手は、それを生かせる期間を長くすることにあります。 専門分野のさらなる掘り下げや、新たな分野への再挑戦。雇用のエイジレス化は、多彩で奥深い能力形成社会への挑戦でもあります。



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